【石油産業新聞社】2020年11月24日号『国内特許を取得 小水力発電「WaterWeco®」世界特許申請中 エリス』

2020/11/25

【つばめホールディングス(岡山市)傘下で、小水力発電製造・販売のエリス(同市、桑原順社長)は5日、同社独自の小水力発電システム「WaterWeco®」が9月30日付で国内にて商標ならびに特許登録されたことと、世界特許を申請中であると発表した。
 同システムは同社、長崎大学、西日本流体技研と共同開発した、小水力発電(マイクロ水力発電)の開放型周流水車。2パターンの羽根車の知的財産を日本、米国、欧州、台湾、中国の特許庁に登録を進めてきた。
 同水車は流量変動のある農業用水路などへの設置が多いが、設置には一定の流量に合わせて設計するしかできなかった。同社によると「この度の研究開発の成果で、流量変動に合わせられる水車を開発することができた」として、この技術を来年1月、共同研究先から発表される予定だという。
 同社はこれまで、岡山県内を中心に10基を設置。地域活性化の重要な要素として、普及拡大を推進する。
 代表的な設置先である桑谷エリス発電所(津山市加茂町黒木)は小型EV(電気自動車)の充電用として18年(平30年)11月に稼働開始。直径1400㍉×幅1216㍉×高さ4440㍉で、定格発電量は0.5㌗。
 同市主催の「水の学校2020」では桑原社長が講師を務めたほか、小学生向けの水環境に関する動画制作に全面協力。8月29日から環境教育用として、広く公開されている。
 桑原社長は「荒廃の進む中山間地域における安定電源として、持続可能な小水力発電を基盤として、農業、漁業などの振興に生かしていく予定で、そこにはLPガス会社との提携が最適だと考えている」とコメント。
 「北陸、関東甲信越、東北など農業用水路を中心にした、水資源の豊富なエリアでLPガス事業を行う事業者であれば、WaterWeco®の販売、メンテナンスなどで関わってもらえるシステムでもある」と補足。同システムの専用HPを開設しているので参考にしてほしいという。】
【記事抜粋】

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