【産業報道出版】高効率発電、コスト面、災害対応等で評価

2021/10/05

つばめホールディングスのグループ会社のエリスは、「第4回エコプロアワード」において、長崎大学と西日本流体技研と共同開発した小水力発電が優秀賞を受賞した。【従来型の課題を解消】高評価を受けた点としては①発電効率の高さと維持管理コストが低減できること②災害時においても水流をエネルギーへ効率的に転換できること③各種要因から発生する発電効率のブレに対応し、かつ発電効率を向上させていることを挙げた。①として、小水力発電は国内包蔵水力の大きさに反して、水利権の煩雑さや維持管理コストの高さなどからなかなか普及しなかったが、同社が開発した小水力発電は発電効率の高さと維持管理コストの低減に工夫しているため、従来型の小水力発電の課題を解消できるという。今後未開発地域での普及が進めば、エネルギーセキュティーの観点からも望ましいとする。②として、日本は農地、水田をめぐらす灌漑や水路が発達しており、これら水路の多くは、川の本流・支流の大小や水害の影響を比較的受けにくく、常時定量の水量が確保されているものが多い。このような場所において、水流を効率的にエネルギーへ転換できる本製品はもっと普及できる可能性がある。今後、日本のエネルギーは再生可能かつ地域分散を進めることにより、レジリエンスを高める必要があり、本製品はその有効なオプションになり得るという。③は実際のフィールドにおいて、設置時の地形変形や工期、維持管理、流量増減に対する発電効率のブレといった従来の課題に対応し、発電効率を向上させているとしている。また、当社は東京ビッグサイトで開催される環境とエネルギーの未来展『エコプロ』に出展したことがあるが、これは環境省より『環境技術実証事業(ETV事業)』の実証番号を取得した小水力発電(岡山県新見市の用水路に設置)を当社が展開していたことから、環境省のブースで出展することになったもの。その後も岡山県産業振興財団から声がかかり、2回目の出展に至った。今年は改良を加え、新たな特許も取得。従来の固定式の水車から移動式に改良したもので、これにより水の落ちる位置が水量によって変化しても安定的な発電が可能になった。また、より効率的に発電できるように水車の羽根も改良。これらが特許取得したことも評価を受けた一因とみている。特許は海外でも申請中。(中略)もうひとつの可能性として「農業用水路での落差工、急流工は分水されることが多くこれらは棚田などで多数存在している。この水力エネルギーは安定し持続可能。農村部の耕作人口は激減しており、用水路などのインフラに充当できる費用は賦課金では賄えなくなっているが、ここに小水力発電を設置することで、安定収入の確保ができると考えている」…(以下省略)

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