【石油産業新聞社】2021年2月1日号『小水力発電を普及 つばめガスグループ 国内10基、手始めに』

2021/02/01

つばめガス(本社・岡山市、桑原怜社長)グループで環境エネルギー事業会社のエリス(同、桑原順社長)は小水力発電の普及に注力している。昨年9月には独自の小水力発電システム「WaterWeco®」の国内商標登録と特許取得を行った。中国や欧州、米国、台湾では商標登録を済ませ、世界特許も申請中。まずは国内で10基を手始めに普及を広げる。
長崎大学、西日本流体技研と共同開発した同システムは▷低落差・低流量でも設置できる▷発電効率が良い▷独自の遠隔監視システム__などの特徴がある。設置先に多い農業用水路は水量変動が起きるが、このほど流量変動に合わせられる水車を新開発した。電力も安定的に確保できる。
同社は2007年から小水力発電システムの普及に取り組んでいる。16年には津山市、JA津山と共同で小水力発電設置事業を行う協定を結び、18年に津山市の黒木第1キャンプ場入り口に小水力発電設備を設置、「津山市桑谷エリス発電所」として運用を開始した。水路の上流にはJA津山が管理する加茂桑谷発電所があり、その放流水を2次利用して発電する。作った電気は近接地に設置した電気自動車(EV)用スタンドで利用、津山市が地域おこし事業に活用する小型EV「コムス」に供給している。
同市主催の環境イベント「水の学校2020」では桑原社長が講師を務めたほか、小学生向けの水環境に関する動画制作に協力した。
桑原社長は「荒廃の進む中山間地域での安定電源として、持続可能な小水力発電を機軸に農業、漁業などの振興に生かしたい。」と話している。(一部抜粋)

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